March 17, 2009
一回しか存在しない一回だけの感動
現代アートバブル (光文社新書)
著者:吉井仁実
販売元:光文社
発売日:2008-09-17
本書が発売されたのが、2008年9月だから、アートバブルが弾ける直前の執筆だったのかもしれない。それにしても、示唆に富んだアート入門書である。中学生の時に読んだヴァルター・ベンヤミン「複製技術時代の芸術」からの引用もあり、改めて読んでみたくなった。
以下吉井氏の本書からの抜粋↓
◇ 「アウラとは、芸術作品が持っていた一回性や真正性、「時間と空間とが独特に縺れ合ってひとつになったものであって、どんなに近くにあってもはるかな、一回限りの現象」を意味する。このアウラの凋落に代わって芸術作品を特徴づけたのは、フェティッシュ化されたイメージ、ビジュアリティである。フェティッシュ化されたイメージは、習慣や伝統によって意味づけられた生活文化から私たちを切り離し、ビジュアリティによって眩く彩られた消費文化へと駆り立てた。(中略) 最悪のイメージがハリウッド映画の破壊シーンを見るかのような911の現象である。」
◇「豪邸や高級車など贅沢品を一通り買ったあとに、その贅沢品の延長線上に現代アートという選択肢が゛浮上しているのでしょう」
◇ファインアート(純粋芸術、大量複製を前提としない。サブカルチャーなど大衆芸術と区別して使用される)
サブカルチャー(デザイン、イラストなど消費者として不特定多数をターゲットにしている)
◇ エコール・ド・パリの時代
フランス政府の手厚い援助により ピカソ、シャガール、マティスが活躍。当時、美術が輸出産業のベスト5にはいる。文化大臣「100年に1度ピカソが出現しただけで、それまでのアートへの投資は黒字になる」
1960年以降、ジャクリーヌ大統領夫人がヴェネティアビエンナーレのためにアメリカ作家作品の輸送に軍艦一隻使用し、ジャスパー・ジョーンズ、ロバート・ラウシェンバークが人気になった
◇ ピカソの言葉「僕は仕上げをしていない。作品の最後のストローク(一筆)は観る人の目だ」


