December 07, 2008
全身で生きることの自然
大人のいない国―成熟社会の未熟なあなた (ピンポイント選書)
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鷲田清一さんの最新刊。今年後半のベスト本と出合った感がある。いろいろ示唆に富んだ内容であるが、冒頭の一説を引用する。
「(略) 幼稚なふるまいが通る社会というのはしかし、皮肉にも、成熟しているのかもしれない。とくに何かのわざを身につけることがなくともなんとなく生きていける。自活能力がなくても、「一人前」にならなくても、まあそれなりに生きてゆける......(中略) 政治にかかわれる、経営もできる、みんなが幼稚なままでやってゆける、そんな社会こそもっとも成熟した社会であると、苦々しくも認めざるをえないのではないだろうか」
戦後の高度成長による社会システムの整備が人を「部分」にしてしまったのかもしれない。いまこそ、「全身で生きることの自然」を思い出し、それを受け入れなければならない。むきだしの自然を受け入れることで、人は人に優しくなれると思う。それこそが、大人の社会といえるのではないか。
tabloid_007 at 09:24│Comments(0)│
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