September 20, 2008
鬼の愛は、ときに母の愛
朱雀堤の段
環の宮明御殿の段
道行千里の岩田帯
一つ家の段
谷底の段
明日で終演する国立劇場(東京・隼町)の9月文楽公演「奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)」が観たかった。どうしても、チケットが入手できず、この迫力あるポスタービジュアルを眺めて想像するにとどめておこう。
このお話は、東北地方に伝わる鬼女伝説に宮中の権力争い、安倍一族の戦いぶりなどを絡めた時代物の大作である。「奥州安達原」で最も有名なのは奥州・安達ヶ原を舞台にした「一つ家の段」。鬼女こと老女岩手は、貴族の家に仕えた乳母で、また、源義家と戦った安倍貞任(さだとう)、宗任(むねとう)兄弟の母でもある。岩手は、ここを通りかかった若い女の腹から胎児の生き血を取って、若君の病気を治そうとしていた。
鶴澤清治(三味線)、豊竹咲大夫(太夫)、桐竹勘十郎(人形遣い)らは公演に先立ち、物語ゆかりの地、福島県・安達ヶ原の観世寺を訪れたらしい。現地には鬼女の墓とされる「黒塚」や、すみかといわれる岩屋跡も残されている。
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