April 28, 2008
人類をずーと見ているヴィーナスを見る
『ウルビーノのヴィーナス』国立西洋美術館
ウフィツィ美術館の門外不出のヴィーナスが日本で見られることは二度とないのでは?という風評から話題になっている。
ウルビーノの、とあるが、ウルビーノが描いたのではなく、彼はパトロンてある。実際は、ティツィアーノ(Tiziano Vecellio, 1490年頃 - 1576年)という、ルネサンス期のイタリアの画家の作品である。ジョルジョーネとともにヴェネツィア派の最盛期を代表する画家。
『ウルビーノのヴィーナス』のポーズは、ジョルジョーネ作『眠れるヴィーナス』を下敷きにしているが、ティツィアーノのヴィーナスは視線がカメラ目線である。今回の展示では、古代からルネッサンスまで幅広いヴィーナスを展示しているが、ティツィアーノのヴィーナスのはっきりとした視線はこれだけである。歴史の常道で諸説解釈があるが、その歴史的な事実の推察より この一点にみつめられた作者(その後この作品を観る者すべて)の内側を見通しているような気がした。
↓ もうひとつ気になったのが、アンニバレ・カラッチが1588-89年に描いた『ヴィーナストサテュロス、小サテュロス、プットー』という作品。
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